マフラーの詰まりが走行に及ぼす影響
今、現役で走っているほとんどのトラックには環境や人体に悪影響を及ぼす物質(Nox,PM)を除去するフィルターが搭載されています。
このフィルターは地球環境にやさしい一方で、詰まりやすくメンテナンス費用がかさむという難点もはらんでいます。
日々トラックと共に運送業を営んでいる事業主や管理職の方々にとっては、マフラーの詰まりによる業務時間の増加や定期的なメンテナンス費用は頭の痛い問題ではないでしょうか。
マフラーが詰まると、その他にもさまざまな影響が及ぶ可能性があります。
パワーの低減と燃費低下
当たり前ですが、マフラーが詰まると、排気がスムーズにいかなくなります。
その結果、燃焼ガスがエンジンのシリンダーから排出されづらくなることで、吸気量も減少します。
さらに、シリンダーから燃焼ガスが出ないと、ピストンの上下運動もできなくなり、結果としてエンジンが回らず、パワーが出ません。この症状に気づかず、闇雲にアクセルを踏んでもパワーは出ない一方で、燃料は噴射されるため、燃費の悪化につながります。
ひどくなると、エンジンが爆発する懸念すらあります。
車内に有毒ガス
マフラーの詰まりを放置しておくと、最悪の場合排気ガスが逆流する可能性もあります。
すると有害物質を含んだ排気ガスが車内に循環し、健康被害にもつながります。
マフラーの詰まりの兆候
マフラーが詰まると、さまざまな症状が現れることがあります。以下のサインが出たら早めの点検を行うようにしましょう。
加速の低下
マフラーが詰まると、排気がスムーズに流れなくなります。
その結果、回転数が上がりにくくなりエンジンの出力が低下し、加速が悪くなります。
最高速度も制限されることがあります。
排気音の変化
正常なマフラーはポンポンという音が鳴りますが、詰まったマフラーはシューシューという音がすることがあります。
音の感じ方は人それぞれ異なるため、必ずしも当てはまらない場合もありますが、排気音に違和感があったら迷わず点検を!
排気口からの排ガスの勢いの低下
マフラーが詰まると、排気口からの排ガスの勢いが低くなります。
手を当てて確認してみてください。普通のマフラーと比べて排ガスの勢いが弱い場合、詰まっている可能性があります。
エンジンのかかりが悪くなる
マフラーが詰まるとエンジンのかかりが悪くなることがあります。
エンジンのかかりについては様々な要因が考えられますが、“排気系統に原因がある場合もある”というのを頭に入れておいてもいいと思います。
排気系統のトラブルは早期に気づけない場合が多く、詰まりが悪化してからでは手遅れになるケースも少なくありません。
状態によってはマフラーを交換するしかなくなり、50~120万円ほどの高額な修理費用がかかってしまいます。
上記のサインなどでマフラーの詰まりを感じたら、手遅れになる前に迷わず専門家に相談し、適切な対処法を検討してください。