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オイル添加剤について

皆さんは「オイル添加剤」を使用したことがありますでしょうか?
ただでさえ半年~1年で交換するエンジンオイルにさらに費用をかける方はあまり多くはないかもしれません。
しかし、エンジンは人間でいうところの心臓であり、オイルは血液にあたります。
歳をとると心臓は弱まり血管は詰まります。車も同じでどんなに気を配っていても経年劣化は避けられません。
いつまでも大切な愛車に元気でいてもらうためには、適切なオイル交換に加えて、必要に応じてオイル添加剤を検討する必要があります。

High Mileage Oil Treatment – Wynns USA

今回は普段馴染みのないかたも多い「オイル添加剤」について大まかにまとめてみましたので、ぜひオイル添加剤について検討してみてください。

~オイル添加剤の種類と期待できる効果~

オイル添加剤には様々な種類があり、それぞれ期待できる効果が違います。
自分の車の状態に合わせて添加剤を選ぶ必要があるので、どんな種類と効果があるのか、車の症状と合わせて紹介します。

【摩擦低減剤】

エンジン内部の摩擦を減らし、燃費向上やパワーアップに貢献します。
金属表面に保護膜を形成し、摩耗を防ぐことでエンジン性能を長持ちさせます。

≪摩擦低減剤が適している車両の特徴≫

① 高走行距離の車両

 長年使用されている車両は、エンジン内部の摩耗が進んでいるため、摩擦低減剤が有効になります。特に、10万km以上走行した車両では、摩擦を減らすことでエンジンの負担軽減が期待できます。

② 高性能エンジンを搭載した車両

スポーツカーやターボ車など、高回転域での使用が多い車両は、摩擦低減剤による潤滑強化が効果的だといえます。高負荷時の金属接触を防ぎ、エンジンの耐久性UPが期待できます。

③ 低粘度オイルを使用する車両

省燃費性能を重視した車両では、低粘度オイルが使用されることが多いですが、摩擦低減剤を加えることで、エンジン保護性能が向上します。

④頻繁に短距離走行をする車両

エンジンが十分に温まる前に停止することが多い車両は、摩擦が増加しやすいです。 摩擦低減剤を使用することで、冷間時の潤滑性を向上させ、摩耗を抑制できます。

⑤旧型の車両やクラシックカー

古い車両は、エンジン設計が現代のものと異なり、摩擦低減剤による保護が有効。特に慣らし運転時や長期間保管後の使用時に効果を発揮します。

【清浄分散剤】

エンジン内部の汚れ(スラッジやカーボン)を分解・除去します。多くのオイル添加剤が清浄分散性能をうたっています。オイルの劣化を抑え、長期間の性能維持にも役立つとされています。

≪清浄分散剤が適している車両の特徴≫

① 長期間オイル交換をしていない車両

オイル交換の間隔が長いと、スラッジやカーボンが蓄積しやすくなります。清浄分散剤はこれらの汚れを分解・分散し、エンジン内部を清潔に保ちます。

② 短距離走行が多い車両

エンジンが十分に温まる前に停止することが多い車両では、燃焼不完全によるスラッジの発生が増えます。清浄分散剤はこれらの汚れをオイル内に分散させ、エンジンの性能を維持します。

③ ディーゼルエンジン車

ディーゼルエンジンは燃焼時にスス(カーボン)が発生しやすいため、清浄分散剤の効果が特に重要です。ススの凝集を防ぎ、オイルの粘度上昇を抑えることで、エンジンの保護に役立ちます。

④ 高走行距離の車両

走行距離が多い車両は、エンジン内部に汚れが蓄積しやすくなります。清浄分散剤を使用することで、スラッジの蓄積を防ぎ、エンジンの寿命を延ばすことができます。

⑤ ターボ車や高性能エンジン車

ターボ車や高性能エンジンは高温・高負荷の環境で動作するため、オイルの劣化が早く進みます。清浄分散剤はオイルの劣化を抑え、エンジン内部の汚れを防ぐ役割を果たします。                   

【粘度改善剤】

オイルの粘度を適切に調整し、低温時の流動性を向上させます。さらに高温時の粘度低下を防ぎ、エンジン内部を保護します。

≪粘度改善剤が適している車両の特徴≫

① 寒冷地で使用される車両

低温時のオイル流動性を向上させ、エンジン始動時の負担を軽減します。特に冬季の北海道や東北地方などでは、粘度改善剤が有効です。

② 高温環境で使用される車両

高温時の粘度低下を防ぎ、エンジン保護を強化します。夏場の長距離走行やスポーツ走行をする車両に適しています。

③ 高走行距離の車両

長年使用されている車両は、エンジン内部の摩耗が進んでいるため、粘度改善剤による潤滑強化が効果的です。 走行距離が多い車両では、オイルの粘度を適切に維持することでエンジンの寿命を延ばせます。

④ 低粘度オイルを使用する車両

省燃費性能を重視した車両では、低粘度オイルが使用されることが多く、粘度改善剤を加えることでオイルの潤滑性能を補強できます。

⑤ スポーツカーや高性能エンジン車

高回転域での使用が多い車両は、粘度改善剤によるオイルの安定性向上が重要です。高負荷時の金属接触を防ぎ、エンジンの耐久性を向上させます。

【防酸化剤】

オイルにとって大敵である「酸化」を防ぎ、劣化を抑制することで長期間の使用でもオイルの性能を維持してくれます。

≪防酸化剤が適している車両の特徴≫

 ① 長期間オイル交換をしていない車両・オイル交換頻度が少ない車両

長期間オイル交換をしないと、オイルの酸化が進みます。すると粘度が変化し、潤滑性能が低下します。防酸化剤は酸化を抑え、オイルの寿命を延ばします

② 高温環境で使用される車両

高温下ではオイルの酸化が加速されるため、エンジンの保護が必要になります。防酸化剤は熱による劣化を防ぎ、安定した性能を維持します。

③ ディーゼルエンジン車

ディーゼルエンジンは燃焼時にスス(カーボン)が発生しやすく、オイルの酸化を促進します。防酸化剤はこれを抑え、オイルの品質を維持します。

④ 長距離走行の多い車両

長距離を走行する車両は、エンジン内部が長時間にわたり高温で開店するため、オイルの酸化・劣化が早く進みます。防酸化剤を使用することでエンジンの寿命を延ばすことができます。

⑤ ターボ車や高性能エンジン車

高負荷での運転が多い車両は、オイルの温度が上昇しやすく、酸化が進みやすいです。防酸化剤はこれを防ぎ、エンジンの性能を維持します。

【オイル漏れ防止剤】

高年式の車両はシール材やゴムパッキンの経年劣化によるオイル漏れが発生しやすくなります。オイル漏れ防止剤を使用することによってパッキン部分を柔軟にしてオイル漏れの症状を和らげることが出来ます。

≪オイル漏れ防止剤が適している車の特徴≫

①ゴムシールが劣化している車

オイル漏れ防止剤は、ゴムシールの弾力を回復させて、細かな隙間を塞ぐ効果があります。

②軽微なオイル漏れが始まった車

オイルがポタポタと漏れるような深刻な状態ではなく、にじみが気になる程度なら、防止剤が有効です。

③修理が難しい場合や高額な修理を避けたい車

特に古い車や、あと1~2年で買い換える予定の車には、手軽に効果を発揮する防止剤が便利です。

④過走行によるパーツの劣化が進行している車

長年の使用でガスケットやシールが弱くなっている場合に適しています。

ただし、オイル漏れが大規模であったり、シールや部品に欠損がある場合は、修理が必要な場合もあるので注意が必要です!

【極圧剤】

高負荷時の金属接触を防ぎ、エンジンの耐久性を向上させます。

≪極圧剤が適している車の特徴≫

①過酷な運転条件を頻繁に経験する車

重い荷物を運ぶ車や、山道を頻繁に走る車など。

②極限環境で使用される車

高温や低温環境、または砂利道など油膜が壊れやすい状態での運転が多い場合。

③古い車や高負荷がかかる車

長年の使用で部品摩耗が進んでいる車や、極端な荷重がかかる工業用車両。

④トランスミッション(変速機)やギヤ系統が高負荷で動く車

スポーツカーなど、高付加、高回転域で使用するエンジン内部の摩耗、焼き付きを予防します。

~オイル添加剤の使用を控えたほうが良い場合~

オイル添加剤は便利なものですが、いくつかのケースでは使用を控えるのが良いとされています。

車の取扱説明書に禁止されている場合:

一部の車両(例:特定のスポーツカーや新型エンジン)は、添加剤の使用が推奨されていません。例えば、日産GT-Rなどがその例です。

粗悪な添加剤を使う場合:

信頼性が低いメーカー製の添加剤は、エンジンにダメージを与える可能性があります。

既に高性能なオイルを使用している場合:

添加剤がオイルのバランスを崩す可能性があり、性能が逆に低下することも。

メーカー保証期間中の場合:

添加剤の使用が原因で保証が無効になるケースもあるので、注意が必要です。

あとがき

エンジンオイル添加剤にはたくさんのメリットがあります。
特にエンジン内部の摩耗を軽減したり、汚れを取り除いてくれたり、性能回復やエンジンの寿命に影響します。
走行距離が増えてきた車や、燃費やパワーが気になりだした車には効果を発揮しやすいでしょう。
しかし、添加剤の選択や使用法を誤ると、思わぬトラブルにつながりかねません。

添加剤を使う前に、車種に合っているかどうかをしっかり確認し、必要ならプロの意見を求めるのがおすすめです!
添加剤には今回紹介したように様々なタイプがあり、車の状態に応じて適切なものを選ぶと良いでしょう。

丁寧にメンテナンスして、愛車を元気に保ちましょう!