ターボ(ターボチャージャー)とは、「排気ガスエネルギーを利用して空気を圧縮し、エンジンに多くの空気を供給する装置」です。その歴史は古く、1900年代初頭に生まれ現代に至るまで形を変えながら様々な進化をしてきました。ターボの歴史から、役割、構造、メンテナンスまで大まかに理解できる内容を紹介していますので最後までご覧ください。
ターボの成り立ちと歴史
ターボの歴史は意外に古く、軍用航空機に採用されたことをきっかけに世の中に一気に広まりました。現在ツインターボやモーターで動く電動ターボなど様々な進化を遂げています。
はじまりは飛行機から(1900年代初頭)
ターボチャージャーのアイデアは、空気の薄い高高度でもエンジンの出力を保つために、航空機用エンジンで生まれました。スイスの技術者が1905年にターボチャージャーの特許を取得したのが始まりです。当時から「排気ガスのエネルギーを使って空気を圧縮し、エンジンに送り込む」もので、今のターボの基本構造とほぼ同じものがこの年に生まれました。
実用化は戦争がきっかけ(1930〜40年代)
第二次世界大戦中、アメリカのB-17爆撃機などにターボが搭載されて、高高度でもパワーを維持できるようになりました。戦闘機に搭載されたことをきっかけに一気に技術が進化しました。
自動車への応用(1960〜70年代)
最初に市販車にターボを載せたのは、1960年代のアメリカ車でした。
しかし、当時は信頼性やコストの問題であまり普及しなかったようです。
ブームの到来(1980年代)
この時代になると、F1でターボが大活躍します!
市販車でも日産 スカイラインGT-Rやポルシェ 911ターボなど、名車が続々登場して、「ターボ=速い」というイメージが定着し、ターボの普及を大きく後押ししました。
現代のターボ(2000年代〜)
最近では、小排気量+ターボの「ダウンサイジングターボ」が主流になり、燃費と環境性能を両立させています。
現在のターボの種類
- シングルターボ(単一ターボ)
最も基本的なタイプ。
→ メリット: 構造がシンプルでコストが低い - ツインターボ(2基ターボ)
ターボを2つ使う方式
→ メリット: 広い回転域で効率よく過給できる。 - 可変ジオメトリーターボ(VGT/VNT)
タービンの羽の角度を変えて、回転数に応じて最適な過給を行うタイプ。
→ メリット: 低速から高速までスムーズな加速が可能 - 電動ターボ(e-Turbo)
モーターでタービンを回す新しいタイプ。
→ メリット: ターボラグほぼゼロ!
ターボの基本原理

排気のエネルギーを再利用!
エンジンから出る排気ガスの勢いでタービンを回します。
タービンが回ると…
同じ軸でつながっているコンプレッサーも回転し、これが吸い込んだ空気をギュッと圧縮します。
圧縮された空気は…
インタークーラーで冷やされてから、エンジンに送り込まれます。冷たい空気の方が酸素が多くて、燃焼効率がアップします!
結果として…
同じ排気量でも、より多くの燃料と空気を燃やせるから、パワーが増える仕組みです!
ターボチャージャーの役割
ターボチャージャーの役割は一言でいうと
「エンジンにたくさんの空気を送り込んで、パワーをアップさせること」
ですがパワーアップのほかにも、多くの役割を担っています。
出力アップ(パワーの向上)
エンジンに送り込む空気の量を増やすことで、燃料も多く燃やせるようになる。
→ その結果、より大きな爆発力=パワーが得られる!
燃費の向上(ダウンサイジング)
昔は大きなエンジン=パワーだったが、今は小排気量+ターボで同じくらいの力を出せる。
→ 軽くて燃費も良くなるから、環境に良い。
排ガス規制への対応
効率よく燃焼させることで、有害な排気ガスを減らすことができる。
→ 特にディーゼル車では、クリーンディーゼル技術とセットで使われている!
高地や寒冷地での性能維持
空気が薄い場所での出力アップ!
→空気が薄い場所でも、ターボなら強制的に空気を送り込めるから、パワーが落ちにくい!
ターボの故障やメンテナンス
ターボは非常に高温・高回転で動作する精密部品なので、ちょっとしたトラブルでも故障につながりやすいです。代表的な故障原因とメンテナンス方法や前兆を紹介いたします。
ターボの主な故障
1. 潤滑不足(オイルトラブル)
ターボ故障の最大の原因とされます。
潤滑不足はベアリングの急速な摩耗を引き起こし、ターボ破損につながります。
≪オイルトラブルの原因≫
- オイル供給不足
- オイルラインの詰まり
- 劣化したオイルによるスラッジ
- オイルポンプの不調
≪予防とメンテナンス≫
- 定期的なオイル交換
- 高品質のオイルを使用する
- 暖機運転とクールダウン
2. オイルの汚れ・異物混入
汚れたオイルがベアリングを傷つける
金属粉やスラッジが流入すると即故障レベル
オイル品質はターボ寿命に直結します。
- オイル交換時のオイルフィルター同時交換
- オイルラインの点検・交換
故障の前兆
- 加速が鈍くなる
- 黒煙や白煙が出る
黒煙:燃料がうまく燃えてない(過給不足)
白煙:ターボ内部のオイルシール劣化で、エンジンオイルが燃えている可能性あり! - 異音
「キーン」「シャー」といった高い金属音や、「ガラガラ」といった異常音が聞こえたら要注意! - オイルの減りが早い
軸受け部分からのオイルが漏れの可能性あり
~最後に~
以上、ターボの構造や成り立ちについて概要をつかめたと思います。
ターボは今のエンジンには欠かせない部品となっています。
さらにEGRシステムとの関連性や、スーパーチャージャーとの違いなど、深堀りすればするほど面白い領域でもあります。この記事をきっかけに自動車のエンジンの構造や吸排気の流れに興味をもつきっかけになれば幸いです。



