TEL
エンジンオイルの役割と規格
【エンジンオイルとは】
エンジンオイルを一言で言うならば、エンジンを保護し性能を保つための潤滑油です。
そのエンジンオイルには様々な規格と種類があるのをご存じでしょうか？
排気量や気温、国産車と外国車、ガソリンとディーゼルエンジンなど、それぞれに適切なオイルを選ぶ必要があり、素人にはなかなか理解しづらいところでもあります。
今回は、そんな奥の深いエンジンオイルの概要を簡単にまとめてみました。
種類は無数にありますが、エンジンオイルの基本的な役割は以下の通りです。
【エンジンオイルの7つの役割】
- 『潤滑』 基本的な潤滑油としての性能
エンジン内部のシャフトやピストンを滑らかに動かし、燃費や加速性能を維持します。 - 『清浄』 不純物の除去
エンジン内部で蓄積する汚れ（スラッジ）を清浄し、車のパフォーマンスを維持します。 - 『清浄分散性』 汚れの再付着防止
血液のようにスラッジや不純物をエレメント（オイルフィルター）まで運ぶことでエンジン内部をきれいな状態に保ちます。清浄分散性能が低いとスラッジ等の汚れをオイルエレメントまで運べず、エンジン内に固着し故障の原因になります。 - 『防錆』 サビを抑制
エンジン内部をコーティングしてサビを予防します。 - 『冷却』 エンジン冷却
エンジンオイルは熱を吸い取り、エンジン内部のパーツを冷却します。過熱を防ぎ、パーツの破損リスクを低減します。 - 『密封』 圧縮の確保
エンジンのピストンとシリンダーの間には僅かな隙間があり、その隙間をエンジンオイルで埋めています。エンジンオイルでこの隙間を埋めることで気密性を保ち、シリンダー内の爆発で起こすエネルギーをクランクシャフトに無駄なく伝えています。 - 『緩衝性』 金属部分の衝撃を吸収
パーツ同士の衝突による摩耗を抑えエンジンの寿命を延ばします。
衝突音を抑え、エンジンが静かになります。
【3大ベースオイル】
エンジンオイルにはラーメンの「醤油」「味噌」「豚骨」のように、おおもとになるベースオイルというものが3つ存在します。
大体のエンジンオイルはベースオイル8に対して添加剤2を配合して作られています。
それぞれにどんな特徴があるのか見てみましょう。
| 種類 | 特徴 |
| 鉱物油 | 原油から不要な成分を取り除いて作られているオイル 最も安価なオイルで性能は低めです。 エンジンオイルとして最低限の性能を持ちながら、酸化しやすいというデメリットがあります。頻繁なオイル交換が必要です。 旧車に多く使用されています。 |
| 部分合成油 | 鉱物油と化学合成油を混ぜたオイル 鉱物油よりはやや高価。 鉱物油の弱点である揮発性を化学合成油で補い性能を高めたもの。 最も流通量が多く、用途によって多くの種類から選択できます。 |
| 化学合成油 | 鉱物油を化学分解して化学的に作られたオイル もっとも高価なオイルで性能は高めです。 添加剤を化学合成させていて、不要な成分は全く含まれていません。 低温時でも流動性が非常に高いので、冬場でも高いパフォーマンスを発揮します。 高性能車、ハイブリッド車に多く使用されています。 |
エンジンオイルの選び方
エンジンオイルには「0W-20」や「5W-30」などの表記がされています。
これらはエンジンオイルの粘度。つまりオイルの固さを表しています。
エンジンオイルの粘度の見方は以下の通りです。
「W」は「Winter」の略で、低温時の粘度を示します。数字が小さいほど寒冷時の始動性が良くなります。
「30」や「40」などの数字は、高温時の粘度を示し、数字が大きいほど油膜保持能力が高くなります。
エンジンオイルは車種ごとにメーカー推奨のエンジンオイルがありますので、選び方が分からない方はメーカー推奨のオイルを選んでおけばまず安心です。
ですが、街乗りや高速など車の使い方しだいで最適なエンジンオイルは変わってきます。
エンジンオイルの粘度選びは、車の性能や寿命に大きく影響します。一般的に、粘度の低いオイル（例：0W-20）は燃費向上や寒冷時の始動性に優れていますが、高温時の油膜保持が弱くなる可能性があります。
一方、粘度の高いオイル（例：5W-30）はエンジンの保護性能が高く、走行距離が多い車に適しています。
選び方のポイント
選び方のポイントは以下の通りです
- メーカー推奨粘度を確認
取扱説明書に記載されている粘度を基準にする。
選び方が難しいという方は、とりあえずメーカー推奨のオイルを入れておけばまず間違いはないと言えます。 - 走行距離と車の状態を考慮
長く乗っている車は粘度を少し上げることでエンジンの気密性を保てます。 - 使用環境を考える
寒冷地では低粘度オイルが適し、高速走行では高粘度オイルが推奨されています。
どのオイルが最適かは、車の状態や使用環境によって異なります。自分の車の状態や使用状況をよく検討して、自分に合ったオイルを購入してください。
引用元：オイルラインアップ｜出光興産
