
トラックのDPFランプが消えず、自分で手動再生をかけても解消しない…
そんなときは、整備工場での点検・診断が必要な段階です。
診断の結果によっては、診断機でDPFを高温再生させる「強制再生」が行われます。
DPF強制再生とは、手動再生をしてもDPFランプが消えない場合などに、診断機を使ってDPF内部のススを高温で燃焼させる作業です。
ただし、ススの堆積が多すぎる場合や、センサー・燃料系などに異常がある場合は強制再生ができないこともあり、洗浄や部品の点検・修理が必要になります。
この記事では、トラック専門でDPFの出張・非分解洗浄を行うコウゴクDPFクリーニング(関西・四国・中国地方対応)が、強制再生について現場の視点から解説します。
【この記事でわかること】
- 自動・手動・強制再生の違いと、強制再生に進む前に診断が必要な理由
- 強制再生が効かない・繰り返すときの原因と対処法
- アッシュや物理的なつまりが主因のときに、出張洗浄で解決する流れ
※DPFという呼び方はメーカーによって異なり、DPD・DPRと呼ぶことがありますが、本記事ではDPFと総称します。
| この記事を書いた人 コウゴクDPFクリーニング 代表 兒玉 龍也 関西・四国・中国地方で、トラック専門のDPF出張洗浄を行っています。 DPFマフラーの洗浄やトラックの吸排気まわりのお困りごとについて、現場で寄せられる声をもとにわかりやすく解説しています。 |
DPF強制再生とは?自動・手動再生との違い

DPFの再生方法には3種類があるといえ、強制再生は手動再生で解消しないときの段階にあたります。
自動・手動・強制再生の違い
再生の呼び方はメーカーで異なるものの、ここでは以下の3種に分けて説明します。
| 再生の種類 | 実施する人・場所 | 方法 |
| 自動再生(走行再生) | 車両(自動) | 走行中などに車両制御で自動実施 |
| 手動再生 | ドライバー | 停車して車載スイッチで実施 |
| 強制再生 | 整備工場 | 必要に応じ診断機を使って実施 |
強制再生は、自分でできる再生では追いつかなくなった車両への処置です。
※警告灯の出方は、メーカーや年式で異なります。
点滅から点灯に進むパターンが主流ですが、たとえばいすゞ(DPD)は、点滅 → 速い点滅 → エンジン警告灯の点灯・出力制限と進みます。必ず自車の取扱説明書で確認してください。
※車載の再生スイッチを「強制再生」と呼ぶこともありますが、本記事では整備工場の診断機による再生を強制再生とします。
強制再生とは
強制再生とは、診断機を使い、DPF内部を高温まで上げてススを強制的に燃やし切る作業です。
一般的にはディーラーや整備工場で行いますが、診断機を備えた専門業者でも対応可能です。
コウゴクDPFクリーニングでも診断機を完備しているため、整備工場へ行かずに弊社で診断・対応できます。
特徴は次のとおりです。
- 専用の診断機(スキャンツール)を車両に接続して実行する
- DPF内部を高温(おおむね500~600℃程度)まで上げ、たまったPM(スス)を燃焼させる
- 自動再生・手動再生では解消できなくなった段階での対処にあたる
診断機がなければ行えないため、強制再生は「自分でできる再生の先」にある整備作業という位置づけになります。
自動再生・手動再生との使い分け
日常はドライバーの自動再生(走行再生)・手動再生で対応し、それでも解消しないときに強制再生へ進みます。
- 自動再生(走行再生):走行中に車両が自動で実施(開始・完了の条件はメーカー・車種・年式で異なる)
- 手動再生:安全な平坦地に停車し、スイッチ操作で燃焼(完了まで約15〜30分。外気温・車型・年式で変わる)
- 強制再生:手動で改善しないときに、整備工場が診断機で実施
自動再生・手動再生の具体的なやり方は、DPFランプ点滅が消えないときの記事で段階別に解説しています。手動再生が終わらない場合の記事も、あわせて参考にしてください。
まずは自分でできる再生を試し、解消されなければ強制再生を検討する流れです。
DPF強制再生のやり方と依頼の流れ
強制再生は、整備工場や診断機を備えた業者が行う作業になります。
整備工場での強制再生の手順
強制再生は、診断機を接続して条件を整え、DPFを強制燃焼させる手順で行われます。
一般的な流れは次のとおりです。
- 車両を平坦な場所に停車し、エンジンを暖機する
- 診断機(スキャンツール)を車両に接続する
- 強制再生モードを選び実行し、DPF内部を高温まで昇温させる
- 完了後に差圧やエラーの有無を確認する
判断は4の確認結果をふまえて行います。
強制再生で差圧が下がりきらない場合、詰まりが物理的に残っているか、センサーや燃料系の不具合などが隠れている可能性があります。
強制再生の費用の目安
トラックの強制再生の工賃は車種や整備工場で幅があり、一律の相場は公表されていませんが、おおむね数千〜数万円規模とされています。
| 対処 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 強制再生(工賃) | 車種・工場で幅あり(数千〜数万円規模) | |
| DPF洗浄 | 大型でおよそ10〜15万円 | 条件(洗浄範囲・洗浄方法・出張の有無など)によって金額は増減する |
| DPF交換 | 2t約40万・4t約60万・10t約100万 |
金額はいずれも一例で、車種・部品・整備工場などにより大きく異なります。
DPF洗浄料金の詳細についてはDPF洗浄料金の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
DPF強制再生ができない・効かないときの原因と対処法

強制再生をかけても差圧が下がらない、
すぐ再点灯する、
強制再生が進まない…
そんなときは、いくつかの原因が考えられます。
効かない原因は「汚れ」と「不具合」の2系統
原因は大きく次のとおりで、「焼いて取れる汚れ」か「取れない汚れ・不具合」かで対処が変わります。
| 原因 | 強制再生での現れ方 | 必要な対処 |
| スス詰まりが限界 | かけても差圧が下がらない | 洗浄で除去 |
| アッシュ(灰)の過堆積 | 再生しても効きが戻らない | 洗浄で除去 |
| 排気系バルブ・部品の不良 | 温度が上がらず再生が進まない | 整備工場で点検 |
| 燃料添加弁・燃料系の不良 | 燃料が正しく噴射されず再生が進まない | 整備工場で点検 |
| センサー・DOCの不良 | 誤検知やエラーで再生できない | 整備工場で点検 |
原因別のさらに詳しい解説は、DPD手動再生が終わらないときの記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
汚れの種類で変わる対処の見極め
見極めのポイントは「焼けば取れるかどうか」です。状態によって対処が分かれます。
| 強制再生での状態 | 考えられること | 対処 |
| 差圧が下がらない・すぐ再点灯する | ススの過多、または焼けないアッシュ | 洗浄による除去 |
| エラーや温度不足で進まない | バルブ・センサー・燃料系の不良 | 点検・整備 |
焼いても取れない汚れが主因なら、再生を繰り返しても解消されません。
この場合は洗浄が有効な解決策になります。
なお洗浄の目安として、トラックメーカーUD Trucksは、約50万km走行を目安としたDPF洗浄で性能回復・長寿命化が可能としています。
※点検・洗浄のサイクルはメーカーで異なります。
参考:トラックのDPFとは(UD Trucks)
過堆積のまま再生を繰り返すリスク
ススが過剰にたまった状態のまま高温の再生を繰り返すと、フィルターが過剰に高温になり、溶損など本体の損傷につながる恐れがあります。
- 原因(過堆積・再生系の不具合)を解決しないまま再生を繰り返すことがリスクになる
- ススが過剰なときは、溶損を防ぐために再生自体を禁止する制御を持つ車両もある(いすゞ等)
- 最悪の場合、溶損・破損に至り、DPF交換が必要になる
詰まりが限界に近い車両は、再生を繰り返す前に点検・洗浄で汚れを取り除くのが安全です。
DPF強制再生を繰り返す原因と放置リスク

強制再生の間隔が短くなってきたら、詰まりが進んでいる合図です。
再生間隔が短くなる主な原因
再生の間隔が短くなる背景には、ススがたまりやすい使い方があります。
代表的なパターンは以下の通りです。
- 短距離・低速の走行が多く、排気温度が上がりきらない
- アイドリングや軽負荷の運転が多く、ススがたまりやすい
ただし使い方だけでなく、燃料添加弁など燃料系の不具合でも頻度が増えることがあります。
黒煙・白煙が増えるのは、DPFや燃焼系の異常を疑うサインです。車両側の要因は、前の章の原因もあわせて確認してください。
放置による出力制限と交換費用の増大
再生を繰り返すと、車両が自身を守るために制御をかけ始めます。段階的に次のような状態へ進んでいきます。
- エンジン出力や速度に制御がかかり、通常の走行に支障が出る
- 詰まりがさらに進み、洗浄でも戻りにくくなる
- 最終的にDPF交換が必要になり、費用が大きくふくらむ
制御がかかってから対応するより、早めに点検・洗浄を行うほうが、費用も稼働の停止も抑えられます。
放置してよくなることはありません。
DPFの強制再生に関するよくある質問
DPF強制再生の費用はいくらですか?
強制再生だけの工賃は公表している工場が少なく、はっきりした一律相場はありません。
診断機を使った初期対処であれば1〜2万円程度の実例も見られますが、洗浄とセットだったり車種で変わったりと幅があります。
詰まりが進むとDPFの洗浄(大型で10〜15万円)や交換(大型で100万円超も)の対応が必要になります。
DPFの手動再生をしないとどうなりますか?
ススが焼かれずに堆積が進み、ランプの点滅が点灯へ変わるなど、警告灯の段階が上がります。さらに放置するとエンジン出力に制御がかかり、走行に支障が出ます(警告灯の出方はメーカーで異なります)。
点滅のうちに自動再生(走行再生)・手動再生をかけるのが基本です。
DPF強制再生と「強制燃焼」は同じですか?
ほぼ同じ意味で使われます。どちらもDPF内部にたまったススを高温で燃やし切る処理を指し、メーカーによって呼称が異なり「強制燃焼」と呼ぶこともあります。
診断機を使って強制的に焼く点は変わりません。
DPF強制再生が効かないトラックは早めの洗浄で根本解決を
強制再生でも解消されない、すぐ繰り返すという状態が起きた際、診断の結果、アッシュや過剰なススによる物理的な詰まりが主因であれば、洗浄での除去が有効です。
一方、燃料系やセンサーの不具合が原因なら、洗浄ではなく点検・修理が必要になります。
そのため、まずは診断で原因を確かめることが必要です。コウゴクDPFクリーニングでも診断機を備えており、確認可能です。
4箇所トータルの非分解洗浄
コウゴクDPFクリーニングは、DPFを分解せずに洗浄します。洗浄可能範囲は、吸気・排気に対応する次の4箇所です。
- DPFマフラー・過給機(ターボ)・インテークマニホールド・燃料パイプラインに対応
- 2箇所対応が多いなか、吸気側の汚れによる再詰まりまで防ぐ4箇所に対応
- 非分解のため1日(数時間)で完了し、トラックの稼働への影響を抑えられる
実際の弊社の施工例でも、走行約46万kmで手動再生の警告が頻発していたいすゞ車が、出張洗浄でフィルター差圧を施工前の約半分まで下げられた例などがあります。
▶施工実績
稼働を止めない出張対応(コウゴクDPFクリーニング)
出張で対応する場合、工場へ車両を持ち込む必要がなく、長期預かりを避け、車両の稼働停止時間を抑えられます。
- 対応エリアは関西・四国・中国地方、稼働日以外や緊急も相談可
- その場で数時間で完了
総合コストの低い出張クリーニングです。お見積もりに応じますので、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。


